今回はソフトバレーの審判をやっていると疑問に思うルールについて「JVAソフトバレーボール競技規則 ケースブック」を参考に解説していきたいと思います。
基本のルールについては「ソフトバレーの審判をやっていると疑問に思うルールを紹介【ブロック編①】」や「ソフトバレーの審判をやっていると疑問に思うルールを紹介【ボールへの接触編】」で紹介しましたので、本日は知っておくとちょっと詳しい人に見える豆知識なルールについて紹介していきます。
ケースブックとは「ソフトバレーボール競技規則(ルールブック)」の巻末に付録として掲載されている本で、ルールブックの内容を基にして試合でよく見られるケースについてどんな判定をしたらいいか、を説明してくれている物です。
今回紹介する判定は、こちらの「2020年度版ソフトバレーボール ルールブック」の巻末に掲載されていた内容を参考にしています。
ルールブックは日本文化出版オンラインショップの通信販売にて販売されています。
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それではソフトバレーに関わる豆知識な判定について解説していきたいと思います。
1.試合中の手袋等の着用について
ソフトバレーの試合では基本的に手袋とかそういった類のものを身につけて試合をすることは認められていません。
しかし、コチラに書いてあるように大会の主催者もしくは主審が必要と認めた場合には着用した状態で試合をする事ができます。
やはりルールというのは人によってプレーの条件が変わることを良しとしませんので、プレー感の変わってしまう恐れのあるものを身につけることを禁止する事が多いですが、ソフトバレーでは条件によっては認められることもあります。
特にこれからは冬がやってきて手が荒れたり冷えたりする事で手袋をしない状態でソフトバレーをやる事が困難になってしまう人も出てきますので、そういった人をなくす意味でもとても大事なルールだと思います。
2.選手が得点板に当たってしまった時
選手が怪我をした場合の対処は
①主審または副審は、吹笛しレフェリータイムアウトで協議を中断させます。
②副審が速やかに選手に近づき状況を確認します。
③応急処置や選手交代が必要な場合は、当該チームベンチにいる監督かゲームキャプテンに、正規のタイムアウトまたは選手交代を行うよう促し、必要な競技の中断をチームから要求させます。万一、選手交代が正規にも例外的にも行えない場合、主審はその選手に3分間の回復のためのタイムアウトを与えます。
ノーカウントにするかどうかについては結局書いていないので、通常の判定を下して良いのかと考えます。
その上で、選手が重大な怪我をおった場合には試合を中断、怪我をした場合については3分間の回復のためのタイムアウトを与え、その上で続行かどうか判断するという流れのようです。
得点板に当たって怪我をするケースはあまり見ませんが、ジャンプして着地の際に足を挫いたり、ボールを追いかけて行った際に足を攣ってしまったりというのはソフトバレーでは割とよく見かける光景ですので、そういった際には上のような流れで対処をする、というのが良さそうですね。
3.タイムアウトを要求したが副審が気がつかずプレーが始まってしまった場合
審判員のミスですが、サービス許可の吹笛後に再度の要求を行なった場合は、不当な要求として対応します。
タイムアウトや選手交代を要求する場合は、主審・副審に公式ハンドシグナルに加え好投で意思表示を行い、見逃されないようにすることも必要です。また、審判員はサービス許可の吹笛前に両ベンチからの要求等がないかを確認することは必要不可欠な確認行為の一つです。
いくら大声でタイムアウトを要求していても副審が気がつかなければ、始まってしまったプレーをタイムアウトの要求で止めることはできません。
確かに気がつかなかった場合は副審のミスではありますが、不当なタイミングでの要求によるプレーの中断を防ぐためには仕方のない決まりなんだと思います。
よく見かけるのが主審も副審もサーブを打つ選手をじっと見ている光景ですが、主審はサーブ時の反則を見逃さないためにもサーバーを見ている事が必要ですが、副審はレシーブ側のアウトオブポジションを見る必要があるためレシーブ側のコートを見る必要があります。
それによって、レシーブ側からのタイムアウトの要求を見逃すということはなくなると思いますので、両チームが最大限の力を発揮できるようにするためにも、意識して副審はレシーブ側を見るようにするのがいいんじゃないかと思います。
4.ラリーを止められるのは主審?副審?
選手の怪我等による中断を行なった場合には、その後の措置として、負傷した選手チームにタイムアウトまたは選手交代を確認のうえ、ゲームを再開します。
審判はプレー中の安全の確保という役割もありますので、危険があると判断した場合にはどちらも試合を止める事ができます。
得点係やラインズマンは笛を持っていませんが、他コートからボールが入ってきた場合等には大声や身振り手振りで主審・副審にプレーの中断を伝える事ができるかと思います。
選手が怪我をしてしまうというのはスポーツである以上仕方のない事ですが、防げる可能性のある怪我というのはできる限り皆で協力して防いでいきましょう。
5.ルールブックに出てくる「インプレー中」って?
ルールブックによく「インプレー中」というワードが出てきますが、基本的に「ラリーが続いている間」と考えていいのではないかと思います。
バレーをやっている人なら大抵「ラリー中」という言葉で表しているので、「インプレー中」という言葉は馴染みがありませんが、正式にはこちらの言葉ですので覚えておいて損はないと思います。
6.サーバーがボールを打つ時にサーバーを隠す行為(スクリーン)について
しかし、意図的に、このような行為(スクリーン)をしていると判断したときは
①主審は口頭で注意を促す
②注意後も同様の行為を繰り返す場合はインターフェアの反則とします。
しかし、相手のプレーを間接的に阻害する行為になりますので、主審に注意されたにもかかわらず、さらに繰り返すような場合には「インターフェア」の反則となります。
7.ルールブックにある「ダブルファウル」とは?
プレー上の反則に関する項目の中に「ダブルファウル」というものがありますが、つまり判定としてはノーカウントの判定の意味になります。
プレー上の反則に関する内容についてはコチラ↓の記事でも紹介していますので興味がありましたらご覧ください。
8.不当な要求への対処法について
合わせて、不当な要求の再発を防止するため、必要な指導を口頭で行なってください。
審判のジャッジに対して認められているのはゲームキャプテンによる「質問」だけであり、抗議は一切認められていません。
自分が審判をやっていて、こういった「不当な要求」があった際には、上に説明されているように抗議を今すぐやめさせるハンドシグナルを出す事と、口頭で注意をするというのが正式な対応になります。
まとめ
今回は知っておくとちょっと詳しい人に見える豆知識という事で紹介してきましたがいかがだったでしょうか?
他のルールについても同じですが、様々なケースに対する対応を見ているとやはりルールというのは「平等に、安全に」という点に重きを置いて作られているというのがわかります。
誰もが平等に安全にプレーする事が、スポーツのいいところだと思いますのでもっと誰もが正しいルールを知って仲良くソフトバレーを楽しめるようになる事を願っています。
是非よかったらこういった豆知識のようなルールも覚えて、ソフトバレーをもっと楽しめるようになってくれればいいなと思います。