ソフトバレーにおけるアウトオブポジションを勘違いされている方って多いのではないでしょうか?
よく見る光景の一つであるのがサーブを打った瞬間に男性同士が入れ替わる、または女性同士が入れ替わる。
でも実はこれってルール上は全く必要のない動きなんです。
ではなぜこれが必要のない動きであると言えるのか?今回はソフトバレーのローテーションのルール説明と合わせて解説していきたいと思います。
まずはローテーションのルールから
それではまずローテーションがどういうルールになっているのか説明していきたいと思います。
ルールはこちらの「2020年度版ソフトバレーボール ルールブック」を参考にしています。
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尚、現在のコロナ禍の影響により2021年度のルールブックは制作されておりません。もし詳しく知りたいと言う方がいましたらこちら↓の記事で詳しく紹介していますので良かったら確認してみてください。
それではルールブックに記載されているアウトオブポジションの定義から紹介していきます。
10 選手の位置とローテーション
10.1 位置
10.1.1 ネットに沿って位置する二人はフロントの選手で、ポジション③(レフト)と②(ライト)の位置を占める。他の二人はバックの選手で、ポジション④(レフト)と①(ライト)の位置を占める。(第2図)
10.1.2 サーバーがボールを打った瞬間に両チームは、サーバーを除いてバックの選手は対応するフロントの選手より後方に位置するとともに、バックの選手同士やフロントの選手同士は、それぞれ自分のポジションのサイドライン近くに位置していなければならない。ただし、バックの選手が対角となるフロントの選手より前方に位置しても反則とならない。
10.1.2.1 選手の位置は床面に接している両足の位置によって決定される。(第3図、第4図)
10.1.2.2 フロントの選手とバックの選手の位置関係
各フロントの選手の片足の少なくとも一部はそれぞれに対応するバックの選手の両足よりも、センターラインの近くに位置していること。
10.1.2.3 レフトの選手とライトの選手の位置関係
ライト(レフト)に位置する各選手の片足の少なくとも一部は、同じラインのレフト(ライト)の選手の両足よりも、ライト(レフト)のサイドラインの近くに位置していた。
10.1.3 サーバーを除く両チームの選手は、サーバーによりボールが打たれた瞬間に、それぞれのコート内でローテーション順に位置していなければならない。サービスが打たれた後は、どのように移動してもよく、プレー上の制限はない。
10.2 ローテーション
10.2.1 サービスをレシーブするチームがサービス権を得たとき、そのチームの選手は、時計回りに一つずつ位置を移動する。従って、第二図で◯の中の数字はサービス順も示しているが、各セット開始時のレシービングチームは、サービス権を得たときローテーションするので、ポジション②の選手から打つことになる。
10.2.2 ローテーション順は、スターティングラインアップにより決定され、そのセットを通じて変更することはできない。
出典元:公益財団法人日本バレーボール協会『ソフトバレーボール競技規則』
ソフトバレーをやっている人は当たり前にやっていると思いますが、文章にすると中々ややこしい文章が続いていますので、足の位置については上の図(第3図、第4図)のイメージで覚えてもらうのが一番ではないでしょうか。
アウトオブポジションの定義とは?
ではアウトオブポジションの定義はこちらのようになります。
22.3 アウトオブポジション
サーバーによりボールが打たれた瞬間に、サーバーを除く両チームの選手が、それぞれのコート内でローテーション順に位置していなかったとき。
出典元:公益財団法人日本バレーボール協会『ソフトバレーボール競技規則』
アウトオブポジションを含むそのほかのルールについてはこちら↓の記事で全て紹介していますのでもし興味があったらご覧ください。
要は「サーブが打たれるまでは正しいローテーション位置にいるか」がアウトオブポジションかどうかの基準になります。
男性同士、女性同士の入れ替わりに意味がない理由
では今回のなぜ「男性同士、女性同士の入れ替わりに意味がないのか?」と言う理由ですが、上で説明したようにアウトオブポジションの反則は「サーブが打たれる前に正しいローテーション位置にいるのかどうか」で決まります。
正しいローテーション位置は上で紹介しているようにルールで決められているのですが、その中から以下の文章に注目してみたいと思います。
「10.1.2 サーバーがボールを打った瞬間にサーバーを除いてバックの選手は対応するフロントの選手より後方に位置するとともに、、、、、ただし、バックの選手が対角となるフロントの選手より前方に位置しても反則とはならない」
対角の選手同士、つまり男性同士、女性同士は前後が逆になっていても反則にはならないと言うことです。さらに、
「10.1.2.3 ライト(レフト)に位置する各選手の片足の少なくとも一部は、同じラインのレフト(ライト)の選手の両足よりも、ライト(レフト)のサイドラインの近くに位置していること」
この「同じラインの」とは、図の通りであれば、前衛であれば前衛、後衛であれば後衛の関係のことを指しているため、対角の選手とは左右が逆になっていても反則にならないと言うことになります。
つまり、ローテーションのルールの中にはわかりにくいですが、「対角にいる選手、つまり大抵は男性同士、女性同士であればローテーションの位置は関係がない」と言うのが実は書かれているんですね。
まとめ
女性のレシーブ位置が固定されていたりすると、男性がサーブ後に打った直後に入れ替わるのはサーバーの邪魔になったりして大変だったりするので、ルールとして知っているだけでサーブ前の位置どりがすごく幅が広がるんじゃないかと思っています。
そもそも、サーブ時に男性同士、女性同士の位置を気にしないといけないとしたら、相手からサーブを打たれる時にも男性の前後の位置や、女性の左右の位置まで気にしなければいけなくなってサーブカットをするどころじゃなくなってしまいますよね。
そういったプレー中の矛盾から考えても、対角上にいる選手同士の位置関係はアウトオブポジションの反則からははずれるのかなと思います。
今回はローテーションのルール紹介とサーブ後に男性同士、女性同士が入れ替わることが意味のない理由について紹介してきました。
他にもルールについて詳しく紹介していたりしますので、興味のある方は是非とも他の記事もご覧下さい。